シンガポールで自宅出産《経時記録》
深夜 お腹がよく張る
朝 間隔不規則、腰のあたりが痛い
ご飯を炊く、お布団を敷く、赤ちゃんの洋服を準備する、
バランスボールを膨らます、カメラ、アロマの準備、など出産の用意
12:00 仮眠、痛みの間隔は不規則なまま
14:00 もともと入れていた予約がありUBERでクリニックへ
痛みはあっても動くのに支障なし。
子宮口4cm Dr.Lai「今日かもね〜」
16:00 夫とこどもの保育園へお迎え
こどもは早めにお風呂に入り夕食をすませる
17:30 痛みが強くなる。痛い時は動けない。
間隔不規則、5〜15分
痛みの合間にシャワーを浴びる
18:30 動けなくなる。バランスボールにもたれかかり立て膝で痛みを逃す。
肛門の方に圧迫があり降りてくる感じ。
18:40 ドゥーラに連絡、ドゥーラからDr.Laiに連絡。
18:50 3回くらいいきんだところで誕生!夫が取り上げる。
19:30 ドゥーラ到着
19:50 Dr.Lai到着
20:30 胎盤娩出、処置など。
今日生まれるかもな〜という時にやっておいた方がいいこと、ここには書ききれなかったので、また別にまとめたいと思います。
17:30の時点で「そろそろ来るかも」と思いましたが、ドゥーラとドクターに来てもらってからなかなか生まれないねーとなるのが嫌だったので、ギリギリまで待ってみたら、案の定、連絡が間に合いませんでした。
4回の出産とも「陣痛が規則的に来て誕生」というよくあるタイプの陣痛がなかったので、どの時点で連絡すべきか迷ったことも、連絡が遅れた理由の一つです。
誕生に際しては無事にこどもを立ち会わせることができました。
いつもなら18:30すぎまで保育園なのですが、いつどうなるかわからなかったので早めに迎えに行ったのが正解でした。また、出産間近になると夫が子どもの面倒を見れなくなるので(私のフォローをしたり連絡を取り合ったりで身動きが取れない)早めにご飯やお風呂を済ませておいたのも良かったです。
こどもを立ち会わせるにはいかに機嫌よくさせておくかが鍵だと思います。せっかく出産の場面にいても、機嫌が悪くてクズグズしだすと本人はもとより、周りみんなが大変になります。
こどもを自宅出産に立ち会わせる際のコツ?もまたいずれ書きたいと思います。
ドゥーラやドクターの到着に時間がかかったのは予定外でした。
まず予定していたドゥーラが別の出産にも呼ばれてしまい、バックアップのドゥーラが来ることになったことと、そのドゥーラが出先にいたため出産グッズを取りに行く必要が生じたのが理由です。
そして偶然にもドクターも緊急の呼び出し中で、経過に問題がなかったためその処置が終わってから我が家に向かうことになりました。
生まれた子が元気だったので気楽に待つことができました。
じゃあ誰もいないまま緊急事態が起こったらどうするの?ということに関しては別の時に書こうと思います。
というわけで、赤ちゃんは夫が取り上げ、上の子が羊水を拭き取り、家族水入らずで誕生のひと時を過ごせたのがとても思い出深いです。
シンガポールで自宅出産《ドゥーラを依頼》
自宅出産をしてくれる主治医に勧められたドゥーラをお願いすることにしました。
Dr.Laiによると「助産師ではないが、出産前後サポートを専門としている」ということでした。
紹介されたのは「Four Trimesters」数人のドゥーラが所属しているようです。
当時はつわりがひどく検索する余裕もなかったのですが、HPがありました→Fourtrimesters
ここにドゥーラとは何?から色々書いてあります。
ざっと見ると世界的な組織もあるようで、色々なセミナー、トレーニングをしています。
最初はチーフのGinnyとの面談でした。
ここでも懸念はひとつ、「私の英語で通じるか」ということだったので、開口一番に「英語が得意じゃなくても大丈夫?」と聞きました。
即答で「No problem!!」と笑顔で返され一安心。
日本人のサポートをしたこともあるようで、人によっては通訳をつけるケースもあったとのこと。「パートナーは英語大丈夫?」と聞かれ、我が家の夫は私より英語ができることを伝えると、メールのやり取りもあるからそこはパートナーに聞いてね、と言われました。
ここでもよく分からない医療単語が出てきて困っているとわかりやすい言葉で言い直してくれたので拙い英語力でも大体理解できました。
Ginnyはとても笑顔が素敵で、安心感の持てる素敵なドゥーラでした。
依頼することを決めると、LINEのようなアプリで自分と夫、Ginnyや他のスタッフとグループを作りました。簡単なやり取りはアプリ上で、込み入った内容(バースプランなど)はE-mailでやり取りをします。いつでも何でも相談してね!という感じで、その後色々相談した際もレスポンスが早く、頼りになりました。
ちなみにドゥーラは自宅出産のサポートだけでなく、日本でいう母親、両親学級
のようなセミナーやワークショップから、病院へ出張しての出産サポートなど多岐にわたる現場で活躍しているみたいです。
シンガポールで自宅出産《クリニック》
もともとシンガポールでは病院出産かな、と思っていたのではじめは日系のクリニックにかかっていました。ローカルのクリニックにかからなかった理由はただ一つで「英語力が不安」だったからです。
私の英語力では日常生活はなんとかなるものの、医療に関する説明を英語で聞いてもおそらく全くわからないだろうと思ったからです。
その後偶然、友人が自宅出産をしたよ、という方からの話を聞いて「A Company for Women」の産婦人科医、Lai先生(以下Dr.Lai)の存在を知りました。迷っていても仕方ないので、英語がいまいちだけど大丈夫か?ということを含め、自宅出産が可能か聞くために最初のアポイント(オンライン)を取りました。
余談ですが、Dr.Laiのクリニックは全てIT化されていて、予約がオンラインで取れるのはもとより、予約の確認から次回検診の内容と参考資料のリンクがメールできます。
カルテはもちろん電子カルテで、クリニック内で紙で運用しているものはほとんどありませんでした。(説明の資料が多いものはプリントアウトした紙ににサインすることもありましたがすぐにスキャン、簡易な書類はタブレットで読んでそのままサイン)
電子カルテやオンライン予約などはよく見かけますが、クリニック全体がペーパーレスでシステム化されていることに感心してしまいました。
最初の診察では既往歴や家族歴、今までの妊娠出産歴など、よくある内容のことを聞かれました。Dr.Laiは、気さくでフレンドリー!!といったタイプの先生ではありませんが、誠実で丁寧に対応してくれ、安心感の持てる先生です。
医療用語など「?」な単語がある時は分かりやすく言い直してくださり、一番心配していた英語力に関しても「英語が得意でないけど大丈夫?」と聞いたのですが、あっさり「No problem!」と返されました。聞かれることや検診の内容は日本と大差なかったように思います。
スタッフの方も皆優しい人ばかりで、私の英語がイマイチ、と気づくとゆっくり丁寧に話してくれ、何回聞き直しても嫌な顔一つせず対応してくださり安心しました。
そして自宅出産に関してはドゥーラを依頼した方が良いと言われ、同じクリニック内で後日ドゥーラと会うことになりました。
次回に続く。
シンガポールの出産事情
日本では特別な事情がない限り、妊婦検診を受けた病院やクリニックで出産することになると思います。
現在、シンガポールでは出産の集約化が進んでおり、妊婦検診はクリニック(無病床)受け、出産設備を持つ大病院に入院して出産するのが一般的です。クリニックの医師が病院の分娩設備を間借りするイメージです。(公立病院は検診〜出産まで日本と同じ感じだと思います)
なので、出産件数が多かった頃は一病院あたり年間2万件近い分娩があったようです。(1日あたり50人以上の赤ちゃんが一カ所の病院で生まれていた!)
入院は2泊3日で、無痛、計画分娩が主流。女性の就業率が高く、産後約2ヶ月で復帰することは全然珍しくないそう。
というのを聞いて、なんとなく無痛分娩も経験してみたいなと思いましたが、最初(自宅出産を決める前)に診ていただいていた先生に「4人目だからたぶん麻酔が間に合わないね」と言われてしまいました。
さて、シンガポールの自宅出産の状況ですが、年間4万件ほどの出産のうち、自宅出産はわずか100件弱。0.25%です。
まあそんなもんか、という数字かと思います。
こちらにはドゥーラという日本の助産師さんに似た、出産、産前産後をサポートしてくれる職業があります。(資格制度があるのかは未調査)自宅出産に限らず、病院出産の時は個人的にお願いしたドゥーラにサポートをお願いする人もいるようです。
日本では主に助産師さんだけで自宅出産を行いますが、ドゥーラだけで出産を扱っているのかはわかりません。
私の場合は、自宅出産を行っているドクターに依頼し、ドゥーラも依頼した方がいいと言われ別にお願いしました。なので出産の現場にはドクターとドゥーラのふたり。ドゥーラの役割はまさに日本の助産師さんという感じでした。
自宅出産は危険なのか
これについては一番最初に自宅出産をしようと思った時にネットや本でたくさん調べました。
本来は「自宅出産が安全か危険か」の判断は科学的な結論だけで論じるべきなんでしょうが、「危険だから選択しない」かどうかは、主観や個人の事情もあるので一概には言えないと思います。
うちの場合は、家族に医療職がいるので情報の判断がしやすい、出産時に自分たちでできることもある、といった事情がそれにあたると思います。
本当はここでは統計的な数値を用いてその是非を論じられればいいのですが、片手間で書いているブログなので時間がありません。(調べたいのだけれど)
そして至った結論は「場合によっては危険」
が、これは病院でも同じだな、と書いていて気がつきました。
ただ、助産院は病院と違って怪しいところからちゃんとしたところまでの振れ幅が大きいのかなと思います。(繰り返しますが主観です)
その上でどうするか。
まず、信頼できる助産師さん(自宅出産を扱っている医師もいなくはないですが少数派だと思います)を確保できるかどうか。
しかし、何をもって信頼できるか判断するのが難しい。
私は異常があった件数や概要、対応などを聞きました。
そして人柄と口コミ。
そして嘱託の病院の対応はどうなっているのか。
最後に自分で妊娠出産の勉強ができるかどうか。
最初の二つを判断するには、ある程度の知識が必要です。
これらをクリアできればいわゆる「危険」は最小限に留められると思います。
日本における自宅分娩の現状
自宅出産であることを話すと珍しがられるので、統計を調べてみました。
以下は厚生労働省HPより引用しました。
分娩場所割合は1980年代からはだいたい横ばい、自宅出産(分娩)は1000件の出産に対して2件とやはり珍しいようです。
蛇足:自宅分娩は危険?
このグラフを見ると、「自宅・その他」の出産件数の減少に伴い「妊産婦、新生児死亡率」も減少しています。
しかし、死亡率の減少の理由が自宅分娩の減少だけによるものというのは早計。
時代背景を考えると交絡因子(死亡率の減少に影響を与える要因、例えば衛生環境の向上、栄養状態の改善、情報や知識の普及など)が多そうなので、一概には言えません。が、グラフを見るにある程度は「自宅分娩の減少により妊産婦、新生児死亡率が減少した」と言って良いのではないかと思います。
分娩施設別の統計があればより傾向が掴みやすいですねー。探してみます。