シンガポールで自宅出産と育児のあれこれ

日本で3人(うち2人は水中出産)シンガポールで1人自宅出産した記録と日々の子育ての色々を綴ります。

水中出産は危険か

結論から言うと科学的には「とりあえずやめたほうがいい」らしいです。

 

ざらっと調べただけなのですが、米国産婦人科学会では生まれる前まで(分娩第1期:陣痛中)は利点があるけど、生まれる時(分娩第2期)では安全性や有効性、利点が証明されてない、稀に新生児に重大な問題を引き起こす、と言っています。

 

またWHO(世界保健機関)でも、まだよくわかっていないから積極的に勧めるべきではない、ということです。

 

ただ日本でも取り入れている施設(病院)はたくさんあるし、ここシンガポールでも水中出産のできる病院はあります。フランスやオランダ、イギリスなど、世界的にもそんなに特殊な出産様式ではなさそうです。

もちろんたくさんの国でやっているから安全というわけではないですが、重大なリスクがあるなら漸減してすでに淘汰されてるんじゃ、、、とも思います。

 

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↑ 水中出産(自宅浴室)で生まれた第二子。「うえーん」とひと泣きした後。

 

個人的には陸で産むより水中の方が気持ち良く産めたな〜と思うのですが。

 

 

 

 

 

自宅(日本)で水中出産

1人目と2人目は水中出産を希望して叶いましたが、

3人目は水中出産のつもりがあっという間に生まれてきたので

お風呂へ向かう余裕がありませんでした。

 

水中出産はこんな感じでしました。

  • 今日生まれるかな、となったらいつものお掃除に加えてもう一度お風呂掃除をしておく
  • 生まれるかなー、でお風呂を沸かしておく(のぼせないようにぬるめ)
  • お塩を入れる(助産師さんがやってたのですが、理由は忘れました)
  • 生まれそうになったらお風呂に浸かる
  • 生まれたら赤ちゃんを抱っこしてちょっと余韻に浸る(へその緒はついたまま)
  • 汗を流して、助産師さん2名に抱えられ(赤ちゃんは夫が抱っこ)お風呂を出る
  • 脱衣所に毛布やタオルケットを敷いておきそこに横になり、簡易担架のようにしてお布団まで運んでもらう

 

よくお風呂は血まみれ?!と聞かれますがほとんど出血はなかったので羊水と胎脂でちょっと濁るくらいでした。また少しずつお湯を流していたのでお湯の汚れは全く気になりませんでした。

 

さて、水中出産で良かった点を箇条書きで。

  • 痛みが和らぐ(これは本当にびっくりするくらいの効果がありました)
  • 産後の体がさっぱりする
  • 赤ちゃんも適度にさっぱり(今はドライテクニックを推奨する人もいますが)
  • 部屋で産むより準備が楽(防水シーツなどの準備がいらない、汚れ物も少ない)

*ドライテクニック…出生後すぐに産湯に入れず軽く胎脂や羊水などの汚れを拭き取る方法

  • 欠点:お風呂は狭いのでたくさん立会い者がいる時は大変なのと写真や動画を撮るのも大変

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水中出産を迷っている人がいたら迷わずお勧めします。

(医学的なリスクもなくはないようなのでまた調べます)

 

 

 

シンガポールで自宅出産《準備物品》

さあ今からお産かも?という時に準備したものを書きます。

 

  • 赤ちゃんの衣類、おむつ
  • 自分の衣類、産褥用ショーツ、レッグウォーマー
  • 古シーツ、タオル(羊水や血液で汚れてもいいもの)
  • 防水シーツ(子どものおねしょシーツを転用)
  • バスタオル(赤ちゃん用)
  • バランスボール(陣痛の時に大活躍)
  • 枕やクッション(体位保持に大活躍)
  • アロマディフューザー
  • 好きな音楽
  • 電気あんか(痛みを和らげるため、冬は足を温める、赤ちゃんの衣類を温める)
  • 湯たんぽ(同上、夏でもエアコンをつけているとあった方がいい)
  • カメラ(広角レンズ推奨)
  • ビデオ
  • ランプ(暗いところでお産したい場合、手元などを照らすために)
  • ディスポシーツ、産褥用パッド、ディスポショーツ(助産師さんからもらったお産セットにあったもの)
  • ご飯、お味噌汁(お腹が空いた時用)好きな食べ物、飲み物

 

あらかじめ好きな音楽、香り(アロマ)、食べ物、飲み物を準備しましたが、それだけでワクワク、テンションが上がりました。日本で産んだ時は近くのお店にお願いしてパスタを持ち帰らせてもらって食べたりもしました。

一生に何度もない晴れの日なので、ちょっとしたことですがたっぷり贅沢をした気分になれます。

自宅出産を選んだ理由④

自宅出産を選んだ理由《まとめ》に書いた内容を詳しく記します。

 

④子どもの立会いが簡単

 

これはシンガポールで自宅出産を選んだ最大の理由です。

もともとかかっていたクリニックで、子どもを立ち会わせたいとお願いし、出産する病院に確認してもらいましたが、もともと子どもの立会いはダメな上に3人もいるのでやはり難しいと返事がありました。付き添いは夫ひとりなので、3人の面倒を見つつ出産に立ち会うのは確かに大変そう。ならば自宅出産にすればいいのか、という流れでした。

 

第2子を出産した時、立ち会わせる子どもの面倒をみるのは意外に大変だと気付きました。(立ち会った第1子は当時2歳)

 

陣痛を迎えたのが家にいるときで、途中で夫も帰ってきたのでまだよかったのですが、陣痛中もお腹が空いた、トイレに行きたい、一緒に遊んで、眠たい、など2歳児ですから自分のペースで過ごします。専属で面倒を見てくれる人がいれば良いですが、我が家はマンパワーがなかったので、自由に過ごせる自宅でよかったなぁと思いました。

 

緊急時に備え、助産師さんは二人ついてくれていました。メインの方は私のサポートをしてくれ、サブの方は私のサポート補助のほか、写真を撮ってくれたり、子どもの相手をしてくれたり、オールマイティに動いてくれました。

子どもがお昼寝の時間は夫が寝かせに行き、夫が私の腰をさすっている時はサブの助産師さんが子どもの面倒を見てくれ、といった感じで、夫も子どもにかかりきりになることなく、みんなで和気あいあいと陣痛中を過ごせました。

 

そう、和気あいあい〜っていう感じ。確かに陣痛中のお腹の痛みはあったのですが、談笑してみんなが和やかに過ごしているから、リラックスできました。

 

これもまた病院で出産したことがないし、病院といってもいろんなところがあるから一概には言えないのでしょうが、やっぱり普段と違う環境で小さい子どもの面倒を見るのは大変じゃないかなと思います。

綿密な計画(眠くなったらどこで寝かせる、飽きたらここで遊ばせる、みたいな)と万全の準備物品(お気に入りのおもちゃとかお菓子とか)と、できれば専属に面倒を見てくれる誰かがいれば大丈夫なのかな。

 

いずれにせよ子どもが増えるたびに、自宅出産は子どもの立会いに最適だな〜と思うのでした。

 

ちなみに、全く科学的根拠はありませんが、妊娠中から絵本などで赤ちゃんの話を読み聞かせ、出産では陣痛の始まりからずっと一緒に過ごし、出産のまさに出てくるその瞬間も目撃して新しい家族を迎え入れたおかげか、上の3人とも全く赤ちゃん返りをしませんでした。

というよりむしろ、「自分がこの子の世話をしたい!」とオムツ替えやら着替えやら積極的に(当時2歳の子も)してくれました。自分も赤ちゃんを迎え入れた家族の一員だという自覚がある、そんな感じです。

今では長男(小学校低学年)が末の新生児を沐浴させてくれます。着替えから何もかもしてくれるので本当に助かります。

自宅出産を選んだ理由③

自宅出産を選んだ理由《まとめ》に書いた内容を詳しく記します。

 

③好きなものが食べたい

 

そして食事。私としてはこだわっているつもりはないですが、多くの入院食と比べると私の普段の食事はちょっと違います。いつも分づき米か玄米ととものすごく具沢山で出汁をしっかり取ったお味噌汁ベースで、おかずは少量、といったメニューです。外食で白米を食べる時もありますが、あまり美味しいと感じないので毎食続くのは辛い。たまに一食食べるなら、好き嫌いはないのでどんなものでもいいのですが。

 

特に産後は疲労のせいか、いわゆる定食っぽいしっかりとした食事や、よく見かけるお祝い御膳のような豪華な食事は、私はダメっぽく、産後一ヶ月はほぼご飯とお味噌汁のみ、時々おかずで十分健康的に過ごせていました。

(産前産後の食事についても色々調べたのでまた別の機会に書きます)

 

ただのご飯とお味噌汁ですが、これを差し入れてもらおうと思うと結構大変です。工事現場でよく見る保温のランチジャーに入れて毎食持ってきてもらうか、1日分をまとめて持ってきてもらってレンジで温めるか。

キッチンの付いている病室もありますが、広さを考えるとそこで具沢山のお味噌汁を作るのも大変そう。切った野菜を持ってきて調理し、炊飯器持ち込み?

 

また、ちょっと何かが食べたい、という時もそのためだけに一パックとか一箱とか買って(持って)こなければならないというのも不便。

ちょっと果物が食べたい、ちょっとハーブティーが飲みたい、みたいな、家にいたらなんでもないことも、入院環境では不自由になります。

 

次回は

④子どもの立会いが簡単(子どもを長時間病院で過ごさせるのは面倒を見るのが大変)

です。

 

自宅出産を選んだ理由②

自宅出産を選んだ理由《まとめ》に書いた内容を詳しく記します。

 

②産後も自由に過ごしたい(寝る、起きる、食べる時間など)

 

これも自分自身は入院したことがないのですが、病棟勤務をしていたので入院生活がどんなものかはだいたい知っているつもりです。

 

まず、入院すると生活スケジュールが大まかに決まっています。

起床、検温、診察、食事、入浴、就寝。個室の場合は自由な部分もありますが、検温や診察、食事の時間はある程度固定されるかと思います。

 

また、部屋にいると入れ替わり立ち替わり病院スタッフが来室します。検温、診察、検査、配膳、お掃除、など色んな人の出入りがあります。寝ていれば後にしてくれることもありますが、いつ誰が扉をノックするやもしれない中で、ゆっくり休めないな〜と思います。主治医は一人であることが多い(大病院だと複数の場合も)ですが、看護スタッフはシフト勤務ですので色々な人がやってきます。それはもちろん患者さんのためですが、なんだか気が休まらない感じがしました。

 

やっとの思いで出産を終えたのだから、(赤ちゃんが許してくれれば)好きなときに好きなだけ寝て、(体調に支障が出ない範囲で)好きなものを食べて、いつも通りの生活をしたいと思いました。

 

また私は母子はずっと一緒はいい派だったので、赤ちゃんの寝た時に自分が寝たり食べたりすることになります。せっかく赤ちゃんが寝て自分のことをしようと思ったら誰かが来てそれができない、は結構ストレスです。

赤ちゃんが夜寝てくれなくて自分も寝不足で、お昼間にしっかり寝ようと思っても、日中に診察や検査などがあると難しいかなと思います。

 

次回は ③好きなものが食べたい です。

自宅出産を選んだ理由①

自宅出産を選んだ理由《まとめ》を少し詳しく書きました。

病院出産との対比で考えていますが、病院出産(他入院も)をしたことがないので認識にに間違いがあったらごめんなさい。ただ、一般病棟で仕事をしていたことがあるので、いわゆる入院生活がどんなものかは知っているつもりです。

 

 

①入院がめんどくさい(入退院の移動、準備)

旅行に行くだけでも基本的な荷物に加え、「あれもいるかな」「これがあったら便利かも」「でも重たくなるな」と荷物の選別に時間がかかるタイプです。(アロマが炊きたいなーとか。必須ではないけどあるといいなというもの)なので、数日間を快適に過ごすには、と考えて荷物を選別するのって大変。

病院勤務だった時は、入院される方がすごい荷物で来られるので大変だなあと思いながら見ていました。人手がある場合は後から入るものをご家族に持ってきてもらってもいいと思いますが、自分にしか分からなくて「これじゃない!」ということがなくもない。

自宅出産であれば、出産に必要な物品(タオルや古シーツ)を余分に準備する必要はありますが、大抵は家にあるもので事足ります。それを一箇所にまとめておくだけで良いので楽です。普段使っているものもすべて手元にあるので、「あれをもってこればよかった!」ということは皆無です。

 

そして、いざ陣痛という時に病院に連絡して、車に乗って移動、初めての病棟で出産を待つ、というのが私は落ち着けないなぁと思いました。入院するときも、もし一人だったらタクシー?誰かが来てくれるのを待つ?とソワソワしそうです。

特にひとり目の時は初めてのことばかりなので、できるだけリラックスして過ごしたいと思いました。

 

自宅出産の場合は「陣痛かな」と思ったら助産師さんに電話して、連絡を取りつつ、来てもらうのを待つだけ。移動の心配をせずに、普段通りにお家で過ごせば良い。ここだけ切り取ればとっても贅沢な感じがします。

私のお願いした方の場合、基本の出産介助料に分娩が長引いた場合の超過料金の設定はありましたが、心配だから早く来て欲しいという要望にも対応されていました。中には陣痛が長引いて2泊3日かかったこともあったそうです。

 

次回は ②産後も自由に過ごしたい(寝る、起きる、食べる時間など) について書きます。